測量士補試験の計算問題パターン・公式一覧【保存版】

測量士補

結論から先に言うと
測量士補試験の計算問題は、トラバース測量・水準測量・路線測量(単曲線)・面積計算・写真測量など、分野ごとにほぼ決まった型で出題されます。公式を丸暗記するより「なぜその式で比高や距離が求まるのか」を一度理解しておくと、数値が変わっても崩れにくくなります。本記事では頻出パターンを一つずつ整理しました。ブックマークして演習のたびに見返してもらえればと思います。独学で公式の使いどころが定着しないという方は、比較ページで各社のカリキュラムを見てみるのも一つの手です。

演習量重視なら比較ページで確認しておきたい

「測量士補 計算問題」で検索している人の多くは、法規や知識問題とは違って、公式さえ覚えれば得点源にできるはずなのに、どの公式をどの場面で使うのか整理できずにいる、という状態だと思います。実際、測量士補試験の計算問題は基準点測量・水準測量・地形測量・写真測量・応用測量と複数の科目にまたがって出題されるため、単元別に演習していると「この前見た公式、どの分野の話だったか」と混乱しやすいのが厄介なところです。本記事は編集部がWeb上の解説サイト・過去問解説を横断的に確認しながら、頻出パターンを分野横断でまとめ直したものです。なお試験本番は電卓の使用が認められておらず、巻末の関数表を使って計算する形式になります。この点については別記事「測量士補試験の持ち物・当日の注意点チェックリスト」でも詳しく触れているので、あわせて確認しておいてください。


測量士補の計算問題で使う公式一覧(早見表)

細かい説明の前に、どのパターンでどの公式を使うのか一覧にしておきます。

パターン 主な公式 どんな場面で使うか
トラバース測量(多角測量) 緯距 = 距離×cos(方向角)、経距 = 距離×sin(方向角) 基準点の座標を順番に求めていくとき
トラバースの閉合誤差 E = √{(Σ緯距)² + (Σ経距)²} 測量ルートの精度を評価するとき
直接水準測量 比高 = 後視(BS)- 前視(FS) レベルと標尺で高低差を求めるとき
間接水準測量 標高 = 既知点標高 + 器械高 + D×sin(高度角)- 目標高 トータルステーションで斜距離と鉛直角から標高を求めるとき
単曲線(路線測量) 接線長 T = R×tan(I/2)、曲線長 CL = R×I×π/180 道路・鉄道のカーブの要素を求めるとき
面積計算(座標法) 2S = Σ Xi×(Yi+1-Yi-1) 座標値から多角形の土地の面積を求めるとき
写真測量(写真縮尺) 縮尺の分母 m = 撮影高度 H ÷ 焦点距離 f 空中写真から実際の距離・高さを逆算するとき
三角形の角度・面積 余弦定理、(1/2)×2辺×sin(挟角) 3辺や2辺と挟角から角度・面積を求めるとき

以下、それぞれのパターンについて、公式そのものだけでなく「なぜこの式で求まるのか」を順に説明していきます。問題文に出てくる基準点・水準点・平面直角座標系といった用語の意味があいまいなまま公式を覚えると取り違えやすいので、不安な方は先に分野別に整理した測量用語集で確認しておくと読み進めやすくなります。


パターン1:トラバース測量の緯距・経距・閉合誤差

基準点測量の分野で必ずと言っていいほど出てくるのが、トラバース測量(多角測量)の座標計算です。トラバース測量とは、既知点から次々と測点をつないでいき、各測線の距離と方向角(X軸の正の向き=座標北から時計回りに測った角度)を観測して、新しい点の座標を求めていく測量方法のことです。

ここで使うのが「緯距」と「経距」という考え方です。ある測線の南北方向の成分を緯距、東西方向の成分を経距と呼び、次の式で求めます。

緯距 = 測線の距離 × cos(方向角)
経距 = 測線の距離 × sin(方向角)

なぜこの式になるのかというと、方向角と距離が分かっている斜めの線分を、南北・東西の直角座標系に分解しているだけだからです。三角関数の定義そのままで、方向角0°(X軸方向=北)に近いほど緯距が大きく経距が小さくなり、90°(真東)に近いほど逆になります。新しい点の座標は、直前の点の座標に緯距・経距を足していくだけで求まります。

緯距・経距の図解。点Aから点Bへの測線を、方向角θで南北成分(緯距=L×cosθ)と東西成分(経距=L×sinθ)に分ける

新点のX座標 = 既知点のX座標 + 緯距
新点のY座標 = 既知点のY座標 + 経距

出発点に戻ってくる「閉合トラバース」では、理論上、全測線の緯距の合計と経距の合計はどちらもゼロになるはずです。ところが実際に観測すると、器械や読み取りの誤差でわずかにズレが生じます。このズレを閉合誤差と呼び、緯距の誤差・経距の誤差を直角三角形の2辺とみなして、次の式で求めます。

閉合誤差 E = √{(Σ緯距)² + (Σ経距)²}

さらに、閉合誤差を全測線の距離の合計で割った値を閉合比と呼び、測量の精度を評価する指標として使われます。許容される閉合比の基準値は測量の等級によって作業規程の準則で定められているので、問題文に許容範囲が示されている場合はそれと比較して合否を判定する形になります。数値を丸暗記するより「なぜズレが生まれるのか」「どう評価するのか」の流れを押さえておくほうが、応用が利きます。

方向角の出し方からコンパス法則による誤差の配分まで、例題で通して解きたい人はトラバース測量の計算を例題で解説した記事へ。


パターン2:水準測量の比高計算(直接水準測量・間接水準測量)

水準測量は、2点間の高低差(比高)を求めて標高を決めていく測量です。試験では「直接水準測量」と「間接水準測量」の2パターンが出ます。

直接水準測量は、レベルと標尺(スタッフ)を使う昔ながらの方法です。後方の標尺を読んだ値を後視(BS)、前方の標尺を読んだ値を前視(FS)と呼び、比高は次の式で求めます。

比高 = 後視(BS)- 前視(FS)

これは単純に、レベルの視準線を基準にしたときの2本の標尺の読み値の差が、そのまま高低差になるという理屈です。区間を何度も区切って観測する場合は、各区間の比高を足し合わせていけば、既知点から新点までの標高が求まります。

直接水準測量の図解。レベルの視準線を基準に、既知点Aの標尺の読み(後視)から新点Bの標尺の読み(前視)を引いた値が比高になる

一方、間接水準測量はトータルステーションのような角度・距離を同時に測れる器械を使う方法です。器械の高さ(器械高 i)、目標にした標識の高さ(目標高 f)、器械と目標の間の斜距離(D)、鉛直角(高度角 α)が分かれば、次の式で新点の標高を求められます。

新点の標高 = 既知点の標高 + 器械高 i + D × sin α - 目標高 f

D×sinαの部分が、斜距離と高度角から求めた垂直方向の高低差にあたります。ここで注意したいのは、問題文で与えられる角度が「水平から測った高度角」なのか「天頂(真上)から測った天頂角」なのかで、使う三角関数がsinからcosに変わる点です。天頂角Zで与えられている場合は、D×cosZに置き換えて計算します。この違いに気づかず公式をそのまま当てはめてしまうミスは、実際によくあるパターンなので、問題文の角度がどちらの定義かを最初に確認する癖をつけておくと安心です。

昇降式・器高式の野帳の付け方や、閉合誤差の配分まで例題で確認したい人は水準測量の計算を例題で解説した記事をどうぞ。


パターン3:単曲線(路線測量)の要素計算

応用測量の分野では、道路や鉄道のカーブを設計する「路線測量」の単曲線計算が定番です。直線の道路が方向を変える点を交点(IP)と呼び、そこに半径Rの円弧をなめらかに接続してカーブを作ります。このとき交点でできる角度を交角(I)と呼び、次の要素を求めるのが典型的な出題パターンです。

接線長 T = R × tan(I / 2)
曲線長 CL = R × I × π / 180

接線長は、交点(IP)から円弧の始点(BC)または終点(EC)までの直線距離のことです。円の中心と交点・始点で作られる三角形を考えると、中心角が交角の半分(I/2)になる直角三角形が現れるため、tan(I/2)を使うとこの距離が求まります。曲線長は、扇形の弧の長さの公式(半径×中心角のラジアン)をそのまま使っているだけです。度数法の角度をラジアンに直すためにπ/180を掛けている、という理屈さえ分かっていれば、公式を忘れても組み立て直せます。

これらの要素が求まれば、交点の位置(座標や測点番号)から接線長を引いてBCの位置を出し、そこに曲線長を足してECの位置を出す、という流れで実際のカーブの設置計算につながっていきます。

単曲線の要素からBC・ECの位置を出す流れ。交角Iと半径Rを確認し、接線長T=R×tan(I/2)と曲線長CL=R×I×π/180を求め、交点(IP)から接線長を引いてBC、BCに曲線長を足してECを出す


パターン4:面積計算(座標法)

地形測量・応用測量では、測点の座標値から土地の面積を求める「座標法」もよく出ます。公式は次の形です。

2S = Σ Xi ×(Yi+1 - Yi-1)
面積 S = |2S| ÷ 2

各頂点のX座標に「次の頂点のY座標」から「前の頂点のY座標」を引いた値を掛け、それを全頂点分足し合わせて2で割る、という手順です。なぜこれで面積が求まるのかは、多角形を台形に分割して足し引きする考え方(台形分割の原理)から導けるのですが、試験対策としては、頂点の順番(反時計回りか時計回りか)を間違えると符号がひっくり返るだけなので、最後に絶対値を取れば向きを気にしなくていい、という実務的なポイントを押さえておけば十分です。

この座標法、実は測量士補試験の中でもとりわけ「仕入れ営業の実務」と地続きの計算です。土地の面積は地積測量図に座標値の形で記載されていることが多く、座標法の考え方を知っていると、測量図に書かれている数字が何を意味しているのかが分かるようになります。この点は別記事「測量士補の知識は不動産の仕入れ営業にどう活きる?」で詳しく書いているので、興味のある方はあわせて読んでみてください。



測量士補の知識は不動産の仕入れ営業にどう活きる?境界・越境・私道持分の実例
測量士補の知識は不動産の仕入れ営業にどう活きる?境界・越境・私道持分の実例

パターン5:写真測量(写真縮尺)の計算

写真測量は、空中写真から地上の実際の距離や高さを求める分野です。基本になるのは写真縮尺の考え方で、次の式で表されます。

写真縮尺の分母 m = 撮影高度 H ÷ 焦点距離 f

カメラのレンズ(焦点距離f)から写真面までの距離と、レンズから地上までの距離(撮影高度H)の比が、そのまま写真上の像と実際の地物の比になる、という相似三角形の関係を使っています。焦点距離が短いほど、あるいは撮影高度が高いほど、縮尺の分母が大きくなり(=縮尺が小さくなる)、1枚の写真に写る範囲が広くなる、という感覚で覚えておくと数値を入れ替えられても迷いにくくなります。

このほか、地物の高さ(比高)によって写真上での位置が実際の位置からズレる「起伏変位」の計算も出題されますが、これは撮影高度と比高の比を使う一段階応用したパターンになるので、写真縮尺の基本形をまず固めてから取り組むと理解しやすいはずです。


パターン6:三角比を使う角度・面積の計算

3辺の長さから三角形の内角を求める「余弦定理」や、2辺と挟角から面積を求める公式も、測量士補試験の定番パターンです。この計算パターンについては、実際の過去問を使って解き方を1問ずつ追った記事「令和8年 測量士補試験 過去問解説【第1弾】No.1〜No.3」で詳しく扱っているので、そちらを参照してください。本記事では重複を避けるため、公式の存在だけ挙げるにとどめます。

cos B = (AB² + BC² - CA²) ÷ (2 × AB × BC)
面積 = (1/2) × AB × BC × sin B

電卓が使えない試験で、これらの公式をどう使うか

ここまで挙げた公式は、関数電卓があれば数値を当てはめるだけで答えが出ます。ただ測量士補試験では電卓の持ち込みが一切認められておらず、sin・cos・tanの値は巻末に添付される関数表から読み取る方式です。つまり公式を覚えているだけでは不十分で、関数表の見方に慣れていること、開平計算(ルートの計算)や分数の暗算に手間取らないことも得点力に直結します。このあたりの受験当日の注意点は「測量士補試験の持ち物・当日の注意点チェックリスト」にまとめているので、公式の演習と並行して確認しておくと安心です。



測量士補試験の持ち物・当日の注意点チェックリスト
測量士補試験の持ち物・当日の注意点チェックリスト

演習方法としては、公式を見ながら1問解いて終わりにするのではなく、公式を隠した状態で「この場面ではどの公式を使うか」を自分で思い出す練習を挟むと定着が早くなります。過去問を分野ごとにまとめて解き直す、単元別に整理された演習に取り組むといったやり方が有効ですが、独学だと自分がどの分野の計算で崩れているのか客観視しにくいのも事実です。演習量とペース管理に不安がある方は、比較ページで通信講座のカリキュラムを確認してみてください。


計算問題の演習量を増やすなら

ここまでのパターンは、過去問で繰り返し解いて初めて手が覚えます。年度をまたいで計算問題を解くなら、収録年数の多い過去問集が便利です。

※ここから先の商品リンクは広告(アフィリエイトリンク)です。価格・在庫はリンク先でご確認ください。

測量士補 過去問280 令和9年度版
測量士補 過去問280 令和9年度版建築資料研究社/日建学院Amazonで見る楽天市場で見る

計算問題を一人で理解するのが難しいと感じたら、講義で解き方を見てから演習する方法もあります。アガルートの講座には計算問題対策の講義が含まれています(ほかの講座は3社の比較ページで比べています)。

※以下は広告(アフィリエイトリンク)です。

監修者・境さんのコメント

境さんは、この記事で挙げた公式の中では、座標法の面積計算だけが仕事の感覚と直結したという。測量図に並ぶ座標値から面積を計算していると分かると、次に測量図を見たときの印象が変わると見ている。一方、単曲線や写真測量は、今のところ自分の実務と結びつく場面が思い浮かばない。全部を実務に結びつけようとせず、試験科目として淡々と覚えるところと、実務に効いてくるところを分けて考えるくらいがちょうどよいかもしれないという。


あわせて読みたい

まとめ

測量士補試験の計算問題は、トラバース測量の座標計算、水準測量の比高計算、単曲線の要素計算、座標法による面積計算、写真測量の縮尺計算、そして三角比を使う角度・面積の計算という、いくつかの型に整理できます。数値やシチュエーションが変わっても、公式が「なぜその形になるのか」を理解しておけば、初見の数値でも慌てずに対応できるはずです。

公式を当てはめる前に確認したいこと。高度角か天頂角か、曲線長は度をラジアンに直す、座標法は最後に絶対値を取る、写真縮尺の分母はH÷f

この記事はブックマークして、過去問演習のたびに「今解いている問題はどのパターンか」を見返す使い方をしてもらえればと思います。演習を重ねる中で特定の分野だけ何度も間違える、公式は覚えたのに本番形式だと時間内に解ききれない、という壁にぶつかった場合は、独学の範囲を広げるより体系的なカリキュラムに乗ったほうが早いこともあります。

3社の違いを比較ページで整理する

なお、計算問題を単元別(計算問題/法規/作業規程)に横断して復習できるインデックスページは、当メディアで公開準備を進めています。公開後、本記事からもリンクを追加する予定です。


出典・参考情報(2026年9月16日確認)

本記事の公式は、国土地理院が公表する測量法・作業規程の準則の考え方に基づく一般的な測量計算の知識を、編集部が複数の解説サイト・過去問解説を横断的に確認したうえで整理したものです。個別の過去問の数値・正答については、必ず国土地理院が公表する公式PDF(測量士補試験問題・解答)でご確認ください。

  • 国土地理院「測量士・測量士補試験問題・解答例及び実施結果」(https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html )
  • 日本測量協会「計算式集 付録6-作業規程の準則-」(https://www.jsurvey.jp/huroku6.pdf )

※公式・許容範囲の細かい基準値は等級や年度の作業規程改訂によって変わる場合があります。実際の問題を解く際は、必ず問題文に示された条件・数値を優先してください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました