測量士とは?測量士補との違いを完全解説

測量士

結論から先に言うと
測量士は測量士補と同じ日に行われる国家試験ですが、午前(択一式28問)に加えて午後に記述式の問題が課される、いわば「測量士補の上位版」にあたる資格です。令和8年試験の合格率は24.2%と、測量士補(44.4%)よりも一段ハードルが高く、独学だけで突破するのは簡単ではありません。学習スタイルを早めに固めたい方は、まず通信講座の比較ページで各社のカリキュラムを見比べておくと判断がしやすくなります。

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「測量士」という名前は聞いたことがあっても、「測量士補と何が違うのか」「試験はどれくらい難しいのか」「どちらを先に目指すべきか」を正確に説明できる人は多くありません。実際、検索していても両者を混同した記事や、古い制度のまま止まっている情報にたびたび出くわします。本記事では、国土地理院が公表している受験案内・合格発表資料をもとに、測量士という資格の位置づけから、測量士補との業務範囲の違い、受験資格、試験の中身、直近の合格率までを編集部が一次情報を確認しながら整理しました。数字が確認できない箇所は「非公表」と正直に書き、憶測で埋めることはしていません。

本記事の情報について
本記事の試験制度・日程・手数料等の情報は、2026年9月16日時点で国土地理院「令和8年測量士・測量士補試験受験案内」等の公式資料を確認して記載しています。制度は法改正等により変更される場合があるため、実際の出願前には必ず国土地理院公式サイトの最新情報をご確認ください。本記事は広告(アフィリエイト)を含みます。


1. 測量士とは何か

測量士は、測量法に基づく国家資格です。測量法第48条では、測量士は「測量に関する計画を作製し、又は実施する」者と定義されています。かみ砕いて言えば、測量の全体設計図を描き、その計画に沿って実際の測量を統括する立場ということになります。公共測量(国や自治体が発注する測量)であっても民間の測量であっても、精度や手順を左右する計画づくりの部分を担うのが測量士の役割です。

もう一つの資格である測量士補は、測量法第48条で「測量士の作製した計画に従い、測量に従事する」者と定義されています。つまり測量士が「計画・統括」を担い、測量士補が「実務の遂行」を担うという、明確な役割分担が法律上定められているわけです。この関係は、設計者と現場技術者の関係に近いイメージを持つと理解しやすいかもしれません。

2. 測量士補との違い ― 業務範囲で見るとどう違うのか

測量士と測量士補の一番の違いは、資格単体で「何ができるか」の範囲です。測量業者として登録するには、営業所ごとに常勤の測量士を1人以上置くことが法律上の要件になっています。また、測量業務を統括する主任技術者になるにも、測量士の資格が前提になります。一方の測量士補は、この主任技術者にはなれず、測量業者としての単独登録要件も満たせません。

つまり、測量士補は「測量士が作った計画のもとで現場作業を担う技術者」としては十分に評価される資格である一方、事業所を開いたり、測量業務全体の責任者になったりするには測量士の資格が必要になる、という構図です。この違いは、キャリアを考えるうえでも大きな分かれ目になります。測量士補としてどこまでの仕事ができるのか、年収がどの水準に落ち着くのかは、測量士補の年収と仕事内容をデータで整理した記事で扱っています。

測量士と測量士補の役割の違い:計画を作製・実施する測量士と、その計画に従って測量に従事する測量士補

3. 受験資格 ― 測量士補と同じく誰でも受験できる

測量士試験の受験資格は、測量士補試験とまったく同じです。国土地理院の受験案内には、次のように明記されています。

「年齢、性別、学歴、実務経験及び国籍に関係なく受験できます。」

つまり、大学で測量を専攻していなくても、実務経験がゼロでも、年齢に関係なく誰でも挑戦できます。「測量士は上位資格だから受験にも実務経験が必要なのでは」と思われがちですが、それは誤解です。受験のハードルではなく、出題内容そのもののハードルが高い試験、というのが正確な理解になります。

4. 試験の基本情報(日程・試験地・申込方法・手数料)

測量士試験は年1回、測量士補試験と同じ日・同じ会場で実施されます。時間割が異なり、測量士は午前から、測量士補は午後からという構成です。直近に実施された令和8年試験の概要は次のとおりです。

項目 内容(令和8年試験)
試験日 令和8年5月17日(日曜日)
試験時間 午前10時〜午後4時(午後0時30分〜午後1時30分は休憩。測量士補は午後1時30分〜午後4時30分)
試験地 北海道・宮城県・秋田県・東京都・新潟県・富山県・愛知県・大阪府・島根県・広島県・香川県・福岡県・鹿児島県・沖縄県の14都道府県
申込期間 令和8年1月5日(月)〜1月22日(木)
申込方法 書面申請(郵送・持参)または電子申請(e-Gov)
受験手数料 書面申請4,250円/電子申請4,200円(収入印紙または電子納付)
合格発表 令和8年7月9日

受験手数料は測量士補(書面2,850円/電子2,800円)より1,400円高く設定されています。試験地・申込方法・申込期間は測量士補と共通で、願書も同じ受験案内(冊子)にまとめて掲載される形です。両方をまとめて検討している方は、申込みのタイミングを取り違えないよう注意しておきたいところです。2027年(令和9年)の測量士試験の日程の見込みと、合格発表の確かめ方は2027年の測量士試験の日程と合格発表の見込みにまとめています。

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5. 試験科目 ― 測量士補との科目比較

測量士試験と測量士補試験の科目は、国土地理院が公表している一覧によると次のとおりです(令和7年4月1日施行の測量法改正後の科目名)。

測量士試験(5科目) 測量士補試験(4科目)
測量に関する法規及びこれに関連する国際条約 測量に関する法規
測地測量 測地測量
測図測量、地理情報システム 測図測量
三次元点群測量 (測図測量に含む)
応用測量 応用測量

見比べると分かるとおり、測量士試験には「これに関連する国際条約」「地理情報システム」「三次元点群測量」という項目が独立して加わっており、出題範囲そのものが測量士補より広く、専門的です。測地測量・測図測量という科目名の統合(多角測量・水準測量・地形測量・写真測量・地図編集などをまとめたもの)は両試験に共通する改正点なので、古い呼び方のままの対策本を見かけたら注意しましょう。

6. 出題形式 ― 午前(択一式)と午後(記述式)の2部構成

ここが測量士補との最大の違いです。測量士補試験は択一式28問のみで完結しますが、測量士試験は午前・午後の2部構成になっています。

  • 午前試験:択一式28問(1問25点、700点満点)。出題形式は測量士補とほぼ同じ作り。
  • 午後試験:記述式。必須問題1題(300点)に加え、選択問題4題の中から2題を選んで解答(各200点、計400点)。午後だけで700点満点。

つまり、測量士試験は午前・午後を合わせて1,400点満点という大きな試験になります。測量士補では出番のなかった「記述式で計算過程や考え方を書かせる問題」が午後に登場する点が、体感的な難易度を大きく引き上げている要因のひとつです。しかも午後試験では選択問題をどれにするか、自分の得意分野を見極める戦略も必要になります。

7. 合格基準 ― 午前と総合、2段階のハードル

測量士試験の合格基準は、測量士補のような単純な「総得点450点以上」ではありません。国土地理院の受験案内によると、合格基準は次の2つをどちらも満たす必要があります。

  1. 午前試験で450点以上(700点満点中)
  2. 午前・午後の合計で910点以上(1,400点満点中)

午前で基準点に届かなければ、午後の出来がどれだけ良くても不合格になります。逆に午前を突破しても、午後で記述問題を落として合計910点に届かなければ、やはり不合格です。この「2段階の関門」がある点は、測量士補の絶対評価(総得点450点以上のみ)とは明確に性質が異なります。対策を立てるときは、午前の択一対策だけで満足せず、午後の記述式にどれだけ時間を割けるかが合否を分けるということを、早い段階で意識しておきたいところです。

測量士試験の2段階の合格基準:午前450点以上、かつ午前・午後の合計910点以上で合格

8. 令和8年試験の実施結果 ― 測量士補との合格率比較

国土地理院が発表した令和8年測量士試験の結果は以下のとおりです。

項目 測量士(令和8年) 測量士補(令和8年・参考)
受験者数 3,966名 12,269名
合格者数 961名 5,447名
合格率 24.2% 44.4%

測量士の合格者数は前年(令和7年)の1,487名から減少しており、国土地理院の発表資料でもこの減少が示されています。令和7年は受験者数3,703名・合格率40.2%だったので、令和8年(24.2%)は合格率が大きく下がった年でした。

受験者数を見ると、測量士は測量士補の3分の1以下の規模です。すでに測量業界で実務に携わっている人や、測量士補から上位資格を目指す人が主な受験層になっていると推測されますが、これはあくまで受験者数の規模感からの推測であり、国土地理院が受験者の属性を公表しているわけではありません。合格率だけを比べても、測量士補の44.4%に対して測量士は24.2%と、およそ半分程度の水準です。単純な数字の比較だけでも、測量士の方が一段ハードルの高い試験だと言えます。

9. なぜ測量士の方が難しいのか ― 3つの違いから見えること

ここまでの内容を整理すると、測量士補と測量士の難易度差は、大きく3つの違いから生まれていると考えられます。

測量士が難しい3つの理由:出題範囲が広い、午後が記述式、合格基準が2段階

第一に、出題科目そのものが広い点です。測量士では「関連する国際条約」「地理情報システム」といった、測量士補にはない項目が加わっています。第二に、午後の記述式問題という、択一式とはまったく異なる対策が必要になる点です。用語や数値を暗記するだけでなく、計算過程や測量計画の考え方を自分の言葉で説明できるレベルまで理解を深める必要があります。第三に、合格基準が「午前450点以上」かつ「総合910点以上」という2段階になっている点です。どちらか一方が弱いだけで不合格になる設計は、対策の抜け漏れを許してくれません。

こうした違いから、測量士補で通用した「過去問を繰り返し解いて択一の型を覚える」という学習法だけでは、測量士では足りなくなる場面が出てきます。記述式対策と科目の広さにどう向き合うかが、測量士合格の分かれ目になりそうです。より詳しい合格率の推移や難易度の分析については、測量士の合格率推移と記述式の難しさを分析した記事で扱っています。

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10. 測量士になるには ― 試験合格以外のルートと「登録」の必要性

測量士になる方法として最も一般的なのは、これまで説明してきた国家試験に合格するルートです。ただし、測量法第50条の規定により、大学等で測量に関する所定の課程を修めたうえで一定の実務経験を積んだ場合など、試験を受けずに測量士の資格要件を満たせるルートも存在します。ただし、測量士補試験に合格しただけの人が実務経験を積んでも、それだけで試験なしに測量士になることはできません(国土地理院のQ&Aでも明記されています)。それぞれの年数要件・詳しい条件は、実務経験による測量士への登録ルートをまとめた記事で別途整理しているので、この記事では制度の存在にとどめておきます。

なお、測量士補と同様に、試験に合格しただけでは測量士を名乗って業務にあたることはできません。国土地理院が備える測量士名簿に登録されて、初めて正式な測量士として業務に従事できるようになります。試験合格と資格者としての登録は別の手続きであるという点は、測量士補と共通の注意点です。

11. 測量士を取得すると何ができるか

測量士の資格を取得すると、測量に関する計画の作成・実施を自らの判断で行えるようになります。測量業者として登録する際に必要な常勤の測量士としての要件を満たせるほか、測量業務全体を統括する主任技術者にもなれます。これは測量士補にはできない、測量士ならではの立場です。

独立開業や測量業者の登録要件を満たせる資格という点で、測量士はキャリアの選択肢を大きく広げてくれます。一方で、測量士試験の難易度を考えると、いきなり測量士から挑戦するのではなく、まず測量士補で基礎を固めてから測量士へステップアップするという進み方を選ぶ人も少なくありません。この段階的なキャリアの積み方については、別記事測量士補から測量士になるには?実務経験だけではなれない理由と2つのルートで詳しく扱っています。

12. 独学と講座、どちらで目指すべきか

測量士補は独学でも十分合格が狙える試験ですが、測量士は事情が異なります。午後の記述式は、択一式のように選択肢から選ぶだけでは対応できず、自分で計算過程や考え方を組み立てて答案を書く力が求められます。独学でこの記述対策を進めようとすると、「自分の答案が採点基準に照らして合っているのか」を客観的に判断しにくいという壁にぶつかりがちです。

通信講座では、記述式の答案添削や、頻出テーマの解法パターンを体系的に学べるカリキュラムが用意されていることが多く、独学よりも対策の見通しを立てやすいという声もよく聞かれます。もちろん、実務で測量に日常的に触れている人や、すでに記述式対策に近い勉強を積んできた人であれば、独学での合格も十分に現実的です。自分がどちらのタイプかを見極めたい方は、下記の比較ページで各社のカリキュラムを確認してみてください。

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独学で進める場合は、午前対策の軸になるテキストと、過去問を分野別に解き比べられる解答集を早めにそろえておくと、学習計画を立てやすくなります。

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測量士 合格ノート【四訂版】東京法経学院/約940ページ東京法経学院の公式サイトで見る
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監修者・境さんのコメント
「仕入れ営業の実務では、測量士の方が作成した測量図や計画書を見る機会がよくあります。記述式で計画そのものを言語化する訓練を積んでいるからか、説明の解像度が明らかに違うと感じることが多いです。今は測量士補の学習を進めている段階で、測量士試験への挑戦はこれから先の話ですが、午後に記述式があると知ったときは正直驚きました。択一式の対策しか想像していなかったので、資格を段階的に考える必要があるんだな、と実感しています。」

13. 測量士補の関連記事 ― 次に読むべき記事

ここまで、測量士と測量士補の違いを制度面から整理してきました。両者の関係をさらに掘り下げたい方には、以下のテーマも参考になります。

  • 測量士補とは何か、基礎から知りたい方:測量士補の受験資格・試験概要をまとめたガイドで、測量士補単体の制度をより詳しく解説しています。
  • 測量士補から測量士へのキャリアの積み方を知りたい方:測量士補から測量士への進み方をまとめた記事で、実務経験による登録ルートを含めて整理しています。
  • 測量士補の知識が実務でどう活きるか知りたい方:監修者・境さんの実務目線でまとめた測量士補の知識は不動産の仕入れ営業にどう活きる?では、境界確定や越境、私道持分といった論点を、仕入れ営業の視点から具体的に扱っています。測量士・測量士補どちらの知識も、こうした実務の「土地を見る目」につながっていきます。


測量士補とは?受験資格・試験概要 完全ガイド
測量士補とは?受験資格・試験概要 完全ガイド


測量士の難易度は?合格率の推移と午後の記述式が難しい理由
測量士の難易度は?合格率の推移と午後の記述式が難しい理由

なお、測量士補の合格者が受けられる「午前試験免除」という制度がありますが、これは土地家屋調査士試験に関する免除制度であり、測量士試験とは無関係です。測量士補から測量士を目指す場合の実務経験ルートとは別の話なので、混同しないよう注意してください。

14. よくある質問

Q. 測量士試験に受験資格の制限はありますか?
A. ありません。測量士補と同じく、年齢・学歴・実務経験・国籍を問わず誰でも受験できます。

Q. 測量士試験と測量士補試験、どちらが難しいですか?
A. 測量士の方が難しい試験です。令和8年試験の合格率は測量士24.2%、測量士補44.4%で、出題科目の広さ・午後の記述式問題・2段階の合格基準という3つの違いが難易度差の主な要因です。

Q. 測量士試験は電卓を使えますか?
A. 国土地理院で用意した電卓に限り使用できます。ただし自分の電卓の持参は認められておらず、会場に用意されたものしか使えません。この点は測量士補試験(電卓自体が使用不可)とは異なるので、混同しないよう注意が必要です。

Q. 測量士補を持っていないと測量士は受験できませんか?
A. 受験資格としては測量士補の有無は関係ありません。なお、測量士補試験の合格者が実務経験を積んでも、それだけで試験なしに測量士へ登録することはできません。

Q. 独学と講座、どちらがおすすめですか?
A. 一概には言えませんが、午後の記述式対策を独りで進めるのは難易度が高く、答案添削のある講座を活用する受験者も少なくありません。詳細は下記の比較ページをご覧ください。


15. まとめ

測量士は、測量士補と同じ受験資格(年齢・学歴・実務経験不問)でありながら、出題範囲が広く、午後には記述式問題も課される、いわば「測量士補の上位版」にあたる国家資格です。令和8年試験の合格率は24.2%と、測量士補の44.4%と比べても一段高いハードルになっています。合格基準も「午前450点以上」かつ「総合910点以上」という2段階方式で、択一対策だけでは太刀打ちしにくい試験です。

測量士補との違いや、段階的なキャリアの積み方が見えてきたら、次は「自分は独学でいけそうか」「講座を使うならどこがいいか」を具体的に検討する段階に進むことになるはずです。迷ったときは、まず通信講座の比較ページで各社のカリキュラムと価格を見比べてみることをおすすめします。

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出典・参考情報(2026年9月16日確認)

  • 国土地理院「令和8年測量士・測量士補試験について(受験案内)」(試験日程・試験地・試験時間・試験科目・出題形式・合格基準)
  • 国土地理院「測量士・測量士補試験科目」ページ(両試験の科目一覧)
  • 国土地理院「令和8年測量士試験の合格者を発表」(受験者数3,966名、合格者数961名、合格率24.2%、前年合格者数1,487名)
  • 国土地理院「令和8年測量士補試験の合格者を発表」(受験者数12,269名、合格者数5,447名、合格率44.4%)
  • 国土地理院「令和8年測量士・測量士補試験受験案内」PDF(受験資格・受験手数料・申込方法・電卓等の受験心得)
  • 国土地理院「測量士及び測量士補登録に関する案内」「試験及び登録に関するQ&A」(資格登録の必要性、測量業者登録・主任技術者の要件、測量法第50条・第51条)

※制度・日程は変更される場合があります。出願前には必ず国土地理院公式サイトで最新情報をご確認ください。

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