基準点測量とは?基準点・三角点・電子基準点の関係、1〜4級の違い、作業の流れと試験での出方

測量士補

結論から先に言うと
基準点測量とは、位置が分かっている点(既知点)をよりどころにして、新しい基準点の位置を求める測量です。1級〜4級という区分は、「どの点を既知点にできるか」と「点と点の間隔」で分かれています。作業は作業計画・選点・測量標の設置・観測・計算・品質評価・成果の整理の順に進み、観測にはTSかGNSS(または併用)を使います。体系的に学ぶか迷っているなら、講座選びで迷ったら比較ページへどうぞ。

測量士補のテキストを開くと、早い段階で「基準点」「既知点」「新点」という言葉が出てくる。ところが、三角点や電子基準点とどう違うのか、1級と4級は何が違うのかは、一度では頭に入りにくい。しかも多角測量もGNSS測量も、結局はこの基準点測量の話の中に入っている。

この記事では、まず基準点の種類と親子関係を整理し、1〜4級の区分、作業の流れ、観測機器の選び方、試験での出方へと進む。最後に、不動産の仕入れで地積測量図を開いたとき、基準点の欄から何が読み取れるかを書く。

条文や数値は、国土地理院が公開している「作業規程の準則」(令和7年改正を反映した全文PDF)と、法務省・e-Govの条文を実際に開いて確かめたものだけを使っている。各点の等級ごとの設置数や、三角点の等級の細かい話は測量用語集で触れているので、ここでは繰り返さない。測量の区分(基本測量・公共測量)の整理は公共測量とはにまとめてある。


1. 基準点・三角点・電子基準点・公共基準点の関係

「基準点」は総称で、設置した主体で呼び名が分かれる

国土地理院の説明では、基準点とは地球上の位置や海面からの高さが正確に測定された三角点、水準点、電子基準点等のことで、地図作成や各種測量の基準になるものだ。つまり「基準点」という名前の特定の点があるわけではない。

ややこしさの元は、同じ「基準点」でも、誰が何の測量で設置したかによって呼び方が変わることにある。国土地理院の三角点Q&Aには、この違いがはっきり書かれている。

  • 一〜四等三角点は、国土地理院が基本測量で設置した位置の基準となる点
  • 1〜4級基準点は、地方公共団体等が公共測量で設置した基準点

三角点と電子基準点、水準点は、国土地理院が管理する国家基準点だ。一方、1〜4級基準点は公共測量でつくられた基準点で、国土地理院の2016年の報告会資料にある測量体系の図では、「国家基準点網の整備」(基本測量)と並ぶ形で「公共基準点」という言葉が使われている。この記事でも、公共測量で設置された1〜4級基準点のことを、便宜的に「公共基準点」と呼ぶ。法令上の用語としての定義までは、今回開いた準則や登記規則には出てこないので、そこは断定しない。

親から子へ、点を増やしていく

測量の世界では、国家基準点がいちばん上の親にあたる。そこから公共測量で1級基準点、2級基準点……と、より細かい間隔の点を順に増やしていく。道路や区画整理の工事、地籍調査などの測量は、この点を出発点にする。

種類 設置する側 設置の根拠となる測量 おもな役割
三角点(一〜四等) 国土地理院 基本測量 水平位置(緯度・経度)の基準
電子基準点 国土地理院 基本測量 GNSS衛星の電波を常時受信し、位置を精密に決める基準
1〜4級基準点(公共基準点) 地方公共団体など 公共測量 工事や地図づくりのための、より細かい位置の基準

電子基準点は、全国に約1,300か所、おおむね約20km間隔で置かれている(国土地理院「基準点とは」)。外観は高さ5mほどのステンレス製ピラーで、基礎部には「電子基準点付属標」という金属標がついていて、トータルステーションなどを使う測量の基準点としても使える(国土地理院「電子基準点とは」)。



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2. 基準点測量とは:既知点から新点を求める

準則の第21条は、基準点測量を「既知点に基づき、新点である基準点の位置を定める作業」と定義している。第18条には、用語の定義も並んでいる。

  • 基準点:測量の基準とするために設置された測量標で、位置に関する数値的な成果を持つもの
  • 既知点:すでにある基準点で、基準点測量のときに成果(座標など)を与えられた値として使うもの
  • 新点:基準点測量で新しくつくる基準点(と、改めて測り直す既設点)

要するに、座標が分かっている点を足場にして、まだ座標のない点を測って座標を与えるのが基準点測量だ。測量士補の試験でトラバース測量(多角測量)が出るのも、これと同じ話で、既知点から新点へ角度と距離を順に積み重ねて座標を出している。

なお準則の第19条では、基準点の測量を「水準測量を除く狭義の基準点測量」と「水準測量」に分けている。この記事で扱うのは前者(位置、つまり水平位置を求める測量)で、標高を求める水準測量は別の章になる。

3. 1級〜4級の考え方:既知点の種類と、点の間隔で決まる

級の違いを決める3つの要素

準則の第21条第2項は、基準点測量を「既知点の種類、既知点間の距離及び新点間の距離に応じて」1級〜4級に区分すると書いている。第22条の表(標準)をまとめると次のとおり。

区分 既知点にできる点 既知点間の距離 新点間の距離
1級基準点測量 電子基準点、付属標、一〜四等三角点、1級基準点 4,000m 1,000m
2級基準点測量 電子基準点、付属標、一〜四等三角点、1〜2級基準点 2,000m 500m
3級基準点測量 電子基準点、付属標、一〜四等三角点、1〜2級基準点 1,500m 200m
4級基準点測量 電子基準点、付属標、一〜四等三角点、1〜3級基準点 500m 50m

見た目は数字の羅列だが、読み方は単純だ。級の数字が大きくなるほど、点と点の間隔が短くなり、より細かい範囲を測る。1級は広い範囲に骨格となる点をつくり、4級は敷地や街区レベルで、現場に近い細かい点をつくる。

もうひとつ見ておきたいのは、既知点の欄だ。4級だけが3級基準点まで既知点にできる、というように、上の級でつくった点を下の級の足場に使える。上から下へと点を増やしていく階層構造が、この表からはっきり読み取れる。

電子基準点だけで進められる場合

第22条第3項により、1級・2級・3級の基準点測量では、既知点を電子基準点のみにできる。この場合は既知点間の距離の制限が適用されない。ただし、使う電子基準点は作業地域の近くのものとされている。国土地理院の2016年の報告会資料によると、準則の改正前は、電子基準点のみを既知点にできるのは1級基準点測量までだった。それを2級にも広げ、あわせて4級の条件も緩めた。資料は、これにより「基準点測量のコストダウンと作業の効率化」が可能になると説明している。

観測の方式

第23条は、方式の標準も決めている。

  • 1級・2級は、原則として結合多角方式(既知点から出て、別の既知点に結ぶ網を組む)。やむを得ない場合に限り単路線方式
  • 3級・4級は、結合多角方式か単路線方式

この「1級・2級は原則結合多角方式」は、令和8年の問題(No.6)でもそのまま問われた。

なお、ここに挙げた距離や方式は準則が「標準」として示した値で、実際の作業では、発注する機関が定める作業規程によって扱いが変わりうる。

4. 作業の流れ:準則が定める7つの工程

準則の第24条は、基準点測量の工程を次の順に定めている。

  1. 作業計画
  2. 選点
  3. 測量標の設置
  4. 観測
  5. 計算
  6. 品質評価
  7. 成果等の整理

「作業計画→選点→観測→計算→成果」と覚えている人も多いと思うが、準則では、選点と観測の間に「測量標の設置」、計算と成果の間に「品質評価」が入る。順に見ていく。

作業計画と選点

作業計画では、地形図の上で新点のおおよその位置を決め、平均計画図をつくる(第25条)。選点は、その平均計画図をもとに、現地で既知点の現況を調べ(電子基準点を除く)、新点の位置を選び、選点図と平均図をつくる作業だ(第26条〜第30条)。

ここで押さえておきたいのが第29条だ。計画機関が所有権か管理権をもつ土地以外に永久標識を置くときは、その土地の所有者または管理者から、建標承諾書などで承諾を得なければならない。基準点は公共測量の道具だが、民有地に置くなら所有者の承諾が前提になる、ということだ。

測量標の設置

新点の位置には、原則として永久標識を設置し、測量標設置位置通知書をつくる(第32条)。設置した永久標識は写真などで記録し、「点の記」を作成する(第33条)。電子基準点だけを既知点にして設けた標識は、点の記の備考欄に「電子基準点のみを既知点とした基準点」と記入する決まりもある。

3級・4級基準点には、標杭や標鋲を使ってもよいとされている(第32条第5項)。

観測、計算、品質評価

観測は、平均図などに基づき、水平角・鉛直角・距離などを観測する作業と、GNSS測量機で衛星の電波を受信する作業の2つだ(第34条)。次の節で詳しく見る。

計算では、新点の水平位置と標高を求める(第40条)。TS等で基準面上の距離を計算するときは楕円体高を使うが、3級と4級では、楕円体高の代わりに標高を使ってよい。後で見るとおり、この点は試験にも出た。観測値の点検計算、そして平均計算を経て、新点の座標が確定する。

最後に品質評価(第44条)で、成果が製品仕様書の求めるデータ品質を満たしているかを確認し、成果等を整理する(第45条・第46条)。

納品される成果

第46条が挙げる成果には、観測手簿、計算簿、平均図、基準点成果表、点の記、建標承諾書、測量標設置位置通知書、基準点網図、測量標の地上写真、成果数値データなどが並ぶ。点の記は、その基準点が現地のどこにあり、どんな標識かを示す記録で、後から基準点を探すときの手がかりになる。

5. 観測はTSかGNSSか:併用もできる

準則の第34条第2項は、観測にTS等とGNSS測量機を併用してよいとしている。どちらを使うかは、現場の条件と級によって変わる。

使える機器の決まり(第35条)

観測に使う機器の標準は、準則の表で次のように決まっている。

  • 1級トータルステーション:1〜4級基準点測量
  • 2級トータルステーション:2〜4級基準点測量
  • 3級トータルステーション:4級基準点測量のみ
  • 1級・2級GNSS測量機:どちらも1〜4級基準点測量

つまり、1級基準点測量で標準とされるTSは1級TSだけで、級が上がるほど機器に求める性能も上がる(GNSS測量機や、セオドライトと測距儀の組み合わせも標準に入っている)。

TSの観測

TSを使うときは、水平角観測・鉛直角観測・距離測定を、原則として1視準で同時に行う(第37条)。望遠鏡の正・反の観測を1対回とする。器械高・反射鏡高・目標高は、ミリメートル位まで測定する。TSの仕組み自体はトータルステーションの解説にある。

GNSSの観測

GNSS観測の方法は、準則の表で、観測時間とデータ取得間隔がセットで決まっている。ポイントは、使える方法が級によって違うことだ。

  • スタティック法は、1〜3級(観測距離10km以上は120分以上、10km未満は60分以上)と4級(60分以上)で使う
  • 短縮スタティック法、キネマティック法、RTK法、ネットワーク型RTK法は、3級・4級で使う

1級・2級でGNSSを使う場合は、スタティック法が基本になるということだ。短時間で済む方法は、3級・4級のような、点の間隔が短い測量で使われる。観測距離が10km以上のときは、1級GNSS測量機の2周波で行う決まりもある。方式の違いや誤差の話はGNSS測量の解説で整理している。

どちらが向くか

準則に条件が書かれているのは機器と観測方法までで、「この現場はTS、あの現場はGNSS」という選び方は、現地の見通しや上空の開け具合、点の数や間隔で決まる。大まかな傾向としては、点と点が見通せる範囲を細かく測るならTS、離れた点を結ぶ・見通しがきかないならGNSS、という使い分けになる。現場では組み合わせることも多い。

6. 測量士補試験での出方

試験の出題に触れる前に断っておくと、ここで確かめたのは、国土地理院が公表している令和8年の測量士補試験の問題・解答のPDFだ。それ以外の年度の問題は、今回は開いていない。

基準点測量は、独立した大項目ではなく、いくつかの問題の中に顔を出す。令和8年の問題で、基準点測量に関わるものを挙げる。

  • No.2:公共測量での測量計画機関・作業機関の対応を問う正誤問題。「基準点測量を実施する際、所有者の許可を得てから観測の支障となる樹木を伐採した」という選択肢と、「電子基準点は成果が公開されているため、既知点として使うに当たり使用承認を得る必要はない」という選択肢が並び、後者が誤りで、正解は4だった。前者の「所有者の許可」は、先ほど見た選点・建標承諾の考え方とつながる。後者の使用承認は、当サイトの過去問解説と用語集の整理に依拠している(条文は今回確認していない)
  • No.6:TSを用いた公共測量の基準点測量について、1級基準点測量の方式、2級基準点測量で器械高を何の位まで測定するか、3級基準点測量での基準面上の距離の計算で、楕円体高の代わりに何を使えるか、を問う。正解は1(結合多角方式・ミリメートル・楕円体高・標高)で、この記事の第3節〜第5節で見た準則の内容そのままだった
  • No.8・No.9:GNSS測量機を用いた公共測量の基準点測量。No.9は、基線ベクトルの成分(ΔX、ΔY、ΔZ)から2点間の斜距離を求める計算問題

No.9は、頭の中で整理しておくと取りやすい。A→B が(+300, +100, −100)、C→B が(+200, +300, +400)なので、A→C は A→B から C→B を引いて(+100, −200, −500)になる。斜距離は√(100²+200²+500²)=√300,000≒547.7mで、選択肢3の547.723mが正解だ(解答PDFで確認した)。

準則の「標準」の数値と方式は、そのまま文章問題の選択肢になる、というのがこの年の問題から読み取れることだ。全部暗記するのは大変なので、「1級・2級は結合多角方式」「3級・4級は標高で代用できる」のように、級ごとの違いを軸に拾うと整理しやすい。ほかの年度の出方や分野ごとの解き方は、測量士補 過去問の年度別まとめからたどれる。令和8年の該当問題の解説は、第2弾(No.4〜7)と第3弾(No.8〜12)にある。

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7. 仕入れ営業の目線:地積測量図の基準点・引照点から何が分かるか

ここからが、土地の仕入れで図面を開く人向けの話になる。結論を先に言うと、地積測量図の基準点の記載から分かるのは、その図面の座標が「何を足場にして測られたか」だ。

図面に何が書かれることになっているか

地積測量図に記録する事項は、不動産登記規則第77条第1項が決めている。その中に、基準点にかかわる次の項目がある。

  • 7号:平面直角座標系の番号または記号
  • 8号:基本三角点等に基づく測量の成果による筆界点の座標値
  • 10号:測量の年月日

さらに、法務省の不動産登記事務取扱手続準則の第50条第1項は、8号の座標を記録する場合に、その基本三角点等に符号を付し、図面の適宜の箇所に符号、基本三角点等の名称、座標値を記録するとしている。つまり図面のどこかに、「どの点を基準にしたのか」の名前と座標が書いてあるはずだ。

では「基本三角点等」とは何か。規則第10条第3項は、基本測量の成果である三角点と電子基準点、国土調査法で認証・指定された基準点、またはこれらと同等以上の精度があると認められる基準点を、総称して「基本三角点等」と呼んでいる。この記事でいう国家基準点(三角点・電子基準点)が中心で、それと同等以上と認められる基準点も含まれる、という読み方になる。

読み取れること

図面のその欄を見ると、次のようなことが分かる。

1. 何を基準にしたか。 三角点か、電子基準点か、それ以外の基準点か。名称が分かれば、国土地理院などが公開している基準点成果の閲覧サービスで調べられる。国土地理院の三角点Q&Aは、国土地理院と地方公共団体が管理する基準点は、基準点成果等閲覧サービスから検索できるとしている。このサービスでは、点の記や公共基準点の成果表を見るには、無料のユーザー登録が必要と案内されている。

2. 座標が全国共通か。 規則第77条第2項には、近くに基本三角点等がない場合などは、第7号・第8号に代えて「近傍の恒久的な地物に基づく測量の成果による筆界点の座標値」を記録するとある。手続準則第50条第2項によれば、その場合は、地物の存する地点に符号を付し、符号、地物の名称、概略図、座標値を記録する。この場合の座標は、全国共通の座標ではない。系の番号や、測量年月日が古い図面の座標の扱いは平面直角座標系と測地系の記事に書いた。

3. 基準点は、境界標とは別物だということ。 規則第77条第1項第9号は、境界標を「筆界点にある永続性のある石杭又は金属標その他これに類する標識」と書く。一方、基準点は、準則第18条第3項で「測量の基準とするために設置された測量標」とされる。同じ金属標や石でも、目的が違う。現地で標識を見つけたとき、これが境界標なのか、測量の基準点なのかは、図面の符号や凡例と見比べて確かめる。

「引照点」という言葉を見たとき

実際の図面には、「引照点」という語が出てくることがある。ただ、今回開いた規則第77条・手続準則第50条には、この語は出てこない。準則(公共測量のほう)の路線測量の章に、役杭の保護のために設置する「引照点杭」と、その「引照点図」が出てくることは確認できたが、これは路線測量の話で、登記の図面とは別の場面だ。

そのため、この記事では引照点の定義は断定しない。図面で目にしたときは、凡例や注記を読んで、何を指している符号なのかを確認する。確認する手がかりは、次の3つだ。

  • 凡例・注記に、その符号の説明が書かれているか
  • 距離や座標が、基準点・境界標・恒久的な地物のどれに対して記されているか
  • その地物は、現地にいまも残っているか(現地で見られる範囲)

引照点が何を指すのか、その位置からどう境界を復元するかは、図面を作った土地家屋調査士に聞く話だ。復元の位置や筆界を決める判断は、資格が要る判断なので、営業が図面の数字から自己流に位置を出すことは避けたい。

現地で基準点を見つけたら

基準点の標識が、仕入れ予定地の中や道路沿いにあることもある。標識を置くには、民有地なら所有者の承諾が前提(準則第29条)だった。動かす、埋める、壊すといった話になりそうなら、その基準点を管理している機関、つまり国土地理院か、設置した自治体などに先に聞くのが筋になる。扱いは機関ごとに異なる。



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図面全体の信頼度を見る視点(座標値があるか、求積方法は何か、作成年代はいつか)は、地積測量図の見方で詳しく整理している。仕入れの判断で測量知識がどう働くかという全体像は、下のカードの記事にまとめている。



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8. まとめ:押さえておきたい4点

  1. 基準点は総称。三角点・電子基準点は国土地理院が基本測量で、1〜4級基準点は地方公共団体などが公共測量で設置する
  2. 基準点測量は、既知点をよりどころに新点の位置を求める作業。1〜4級は、既知点の種類と点の間隔で分かれ、級が上がるほど間隔が長い
  3. 工程は作業計画・選点・測量標の設置・観測・計算・品質評価・成果等の整理の7つ。観測はTSでもGNSSでも、併用でもよい
  4. 地積測量図の基準点の記載は、図面の座標が何を足場にしたかを示す。引照点の意味や位置の判断は、図面ごとに調査士へ

基準点測量は、多角測量・GNSS測量・水準測量と、試験の主要分野のほとんどにつながっている。ここを軸に整理しておくと、各分野が一本の線で結ばれてくる。独学でどこまで進めるか迷うなら、価格とカリキュラムを比較するのも一つの手だ。

よくある質問(FAQ)

Q1. 基準点と三角点は同じものですか?

三角点は基準点の一種です。基準点は、三角点・水準点・電子基準点などの総称です。国土地理院が基本測量で置いた一〜四等三角点と、地方公共団体などが公共測量で置いた1〜4級基準点は、別の点として扱われます。

Q2. 1級基準点と4級基準点は、どちらが「上」ですか?

準則の表では、1級のほうが点と点の間隔が長く、広い範囲の骨格をつくる点です。4級は間隔が短く、現場に近い細かい点をつくります。4級基準点測量では、1〜3級基準点も既知点にできます。

Q3. 電子基準点だけで基準点測量はできますか?

準則第22条第3項により、1級・2級・3級基準点測量では、既知点を電子基準点のみにできます。ただし使う電子基準点は作業地域の近くのものとされています。

Q4. 公共測量でない民間の測量でも、基準点は使いますか?

不動産登記規則第77条は、地積測量図に基本三角点等に基づく座標値を記録するのが原則と定めています。民間の測量でも、三角点や電子基準点などが足場になります。ただ、登記のための測量の進め方や、どの基準点を使うかは土地家屋調査士の判断です。

Q5. 測量士補の試験では、準則の数値を全部覚える必要がありますか?

令和8年の問題を見る限り、すべての数値を細かく問うというより、方式(結合多角方式など)や、級ごとの違い(3級・4級は標高で代用できる、など)を問う形でした。年度による違いは、過去問で確認してください。

出典・参考(確認日:2026年10月19日)

実際に開いて内容を確認したページだけを挙げます。

  • 国土地理院「基準点とは」(東北地方測量部のページ) https://www.gsi.go.jp/tohoku/kijunten-kijunten.htm (基準点の定義、電子基準点が全国約1,300点・約20km間隔)
  • 国土地理院「電子基準点とは」 https://www.gsi.go.jp/denshi/denshi_about_GEONET-CORS.html (外観・付属標・TSを用いる測量にも使える基準点であること)
  • 国土地理院「三角点Q&A」 https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/sankaku-QA.html (一〜四等三角点は基本測量、1〜4級基準点は地方公共団体等が公共測量で設置、基準点成果等閲覧サービスの案内)
  • 国土地理院「三角点と水準点の違い」 https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/sankaku-suijun.html (三角点・水準点はともに国家基準点)
  • 国土地理院「基準点成果等閲覧サービス」 https://service.gsi.go.jp/kijunten/ (点の記・公共基準点成果表の閲覧には無料のユーザー登録が必要という案内)
  • 国土地理院「作業規程の準則」 https://www.gsi.go.jp/gijyutukanri/gijyutukanri41018.html (全文PDF https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf:平成20年国土交通省告示第413号、令和7年3月31日一部改正までの全文。第2編 基準点測量の第18条〜第46条、および路線測量の第644条)
  • 国土地理院「公共測量作業規程の準則の一部改正」(第45回国土地理院報告会資料、平成28年6月8日) https://www.gsi.go.jp/common/000141654.pdf (測量体系の図、電子基準点のみを既知点とした基準点測量の適用拡大)
  • 国土地理院「令和8年測量士補試験問題」 https://www.gsi.go.jp/common/000278974.pdf 、「令和8年測量士補試験解答」 https://www.gsi.go.jp/common/000278975.pdf (No.2・No.6・No.8・No.9の問題文と正解番号)
  • 不動産登記規則(平成17年法務省令第18号)第10条・第77条:e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/417M60000010018 (条文はe-GovのデータAPIで取得して確認)
  • 法務省「不動産登記事務取扱手続準則」(最終改正:令和6年12月2日) https://www.moj.go.jp/content/001394394.pdf (第50条)

確かめられなかったこと:「引照点」の法令上の定義(開いた規則第77条・手続準則第50条には語が出てこない)。「公共基準点」の法令上の定義。電子基準点を既知点にするときの使用承認の条文(測量法)。令和8年以外の年度の問題の内容。

※本稿は編集部による一般的な知識の整理です。個別の土地の図面の読み方、基準点の扱い、境界の位置の判断は、土地家屋調査士・設置した機関に確認してください。問題文の数値の計算例は、国土地理院が公表した令和8年の問題に基づくものです。

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