結論から先に言うと
測量士補から測量士になる方法は、大きく分けて「測量士試験に合格する王道ルート」と「特定の学歴と実務経験を組み合わせて無試験で登録するルート(測量法第50条)」の2つです。後者は誤解されやすく、「測量士補試験に受かって何年か働けば自動的に測量士になれる」わけではありません。この記事では国土地理院の一次情報に基づいて、両方のルートを正確に整理します。自分にどちらが現実的か迷う方は、まず測量士試験対策も見据えて通信講座の比較ページを確認しておくと判断がしやすくなります。
測量士補として学習を進めていると、「この先、測量士を目指すべきなのか」「測量士補のまま実務経験を積めば、いつか測量士になれるのではないか」という疑問が出てくる人は少なくないと思います。ネット上には「実務経験何年かで測量士になれる」という趣旨の断片的な情報も見かけますが、条件を正確に理解しないまま進めると、思っていたルートが自分には当てはまらなかった、ということになりかねません。
この記事では、国土地理院が公表している一次情報(測量法第50条・第51条、登録申請の案内、試験及び登録に関するQ&A)を編集部が確認したうえで、測量士補から測量士になる2つのルートを整理します。断定できない部分は「詳細は国土地理院に要確認」と正直に書き、推測で埋めることはしません。
本記事の情報について
本記事の資格要件・登録手続きに関する情報は、2026年9月16日時点で国土地理院公式サイト(測量士・測量士補登録に関する案内、試験及び登録に関するQ&A、測量士登録申請についての案内資料)を確認して記載しています。制度は法改正等により変更される場合があるため、実際に登録申請を検討する際は、必ず国土地理院公式サイトの最新情報をご確認ください。本記事は広告(アフィリエイト)を含みます。
- 1. 測量士補と測量士、まず立場の違いをおさらい
- 2. 測量士になる方法は2つ ― 「試験ルート」と「登録ルート」
- 3. 王道ルート ― 測量士試験に合格する(測量法第50条第5号)
- 4. 実務経験による登録ルート(測量法第50条第1〜3号)― 学歴ごとの年数を正確に整理
- 5. もう一つの登録ルート ― 測量士補+養成施設(測量法第50条第4号)
- 6. よくある誤解 ― 「測量士補+実務経験」だけでは測量士になれない
- 7. 登録申請の実務的なポイント
- 8. 「午前試験免除」と混同しないよう注意
- 9. 測量士と土地家屋調査士の違い ― 名前が似ている資格との混同に注意
- 10. 仕入れ営業の実務にとって、測量士は必須ではない
- 11. よくある質問
- 12. まとめ
1. 測量士補と測量士、まず立場の違いをおさらい
測量法第48条では、測量士は「測量に関する計画を作製し、又は実施する」者、測量士補は「測量士の作製した計画に従い、測量に従事する」者と定義されています。測量士補は現場での実務を担う立場である一方、測量業者の登録要件を満たすには測量士の配置が必要になるなど、測量士でなければできない業務があります。測量士補という資格の基礎的な位置づけについては、別記事「測量士補とは?受験資格・試験概要 完全ガイド」で詳しく扱っています。測量士側の基礎情報(受験資格・試験概要・測量士補との違い)は、別記事「測量士とは?測量士補との違いを完全解説」でまとめています。
測量士補から一歩進んで測量士を目指す理由は人それぞれですが、「測量業者の主任技術者になりたい」「独立を視野に入れたい」「キャリアの選択肢を広げたい」といった動機が多いようです。ここから先は、測量士になるための具体的な2つのルートを見ていきます。
法律上の位置づけとして大きいのが、測量業者の営業所ごとの配置義務です。測量法第55条の13は、測量業者は営業所ごとに測量士を1人以上置かなければならないと定めています。測量士補ではこの要件を満たせないため、会社が営業所を増やすときや、独立して測量業者として登録するときには、測量士がいるかどうかが直接問われます。資格手当や年収への反映は会社ごとに異なりますが、「営業所に必ず1人は必要な資格」という位置づけは押さえておいて損はありません(将来性の観点は測量士補の将来性は?でも触れています)。
2. 測量士になる方法は2つ ― 「試験ルート」と「登録ルート」
測量法第50条は、測量士となる資格要件を第1号から第6号まで定めています。このうち第5号が「国土地理院の長が行う測量士試験に合格した者」、つまり試験に合格する王道ルートです。残る号(第1号・第2号・第3号・第6号)は、特定の学歴と実務経験を組み合わせた無試験の登録ルート、第4号は測量士補が特定の養成施設で高度な専門知識・技能を修得するルートにあたります。
「測量士補として実務経験を積めば試験なしで測量士になれる」という言い方は、半分正しく、半分は誤解を含んでいます。正確には「特定の学歴(大学・短期大学・高等専門学校・専門の養成施設等)を持つ人が、その学歴に応じた年数の実務経験を積むことで登録できる」というのが実態です。この誤解については6節で改めて詳しく整理します。
3. 王道ルート ― 測量士試験に合格する(測量法第50条第5号)
測量士試験は、測量士補試験と同様、国土地理院の受験案内によれば学歴・年齢・実務経験・国籍を問わず誰でも受験できます。測量士補を取得していなくても受験可能です。試験は測量士補試験と同日程・同会場で実施され、時間割は測量士が午前から、測量士補が午後からという構成になっています。
出題構成は測量士補よりも重く作られています。午前試験は測量士補とほぼ同じ形式の択一式28問(700点満点)ですが、午後は記述式で、必須問題1題(300点)と選択問題4題中2題(各200点)を解く構成です。合格基準も「午前450点以上」かつ「午前・午後の合計910点以上」という2段階方式で、午前を突破しても午後で失点すれば不合格になります。国土地理院が発表した令和8年試験の結果では、測量士は受験者数3,966名・合格者数961名・合格率24.2%と、測量士補の合格率44.4%のおよそ半分の水準でした。
測量士補の学習がどこまで活きるかも気になるところです。国土地理院が示す試験科目は、測量士補も測量士も「測量に関する法規」「測地測量」「測図測量」「応用測量」という同じ骨格で、測量士ではこれに国際条約・地理情報システム・三次元点群測量などの範囲が加わります。午前の択一式は測量士補の延長線上で対策しやすい一方、計算過程や用語を自分で書く午後の記述式には、新たに慣れる必要がある、というのが実態に近いと思います。
試験そのものの難易度・合格率の詳しい推移は測量士の難易度は?合格率の推移と午後の記述式が難しい理由、独学で目指せるかどうかは測量士は独学で合格できる?必要な勉強時間で詳しく扱っています。ここでは「学歴・実務経験に関係なく誰でも挑戦でき、合格すればそのまま測量士として登録申請できる」という点だけ押さえておいてください。該当する学歴を持たない多くの受験者にとって、実務経験ルートの要件を満たすかどうかを気にするより先に、この試験ルートを検討するのが現実的な選択肢になるケースが多いはずです。
測量士補に合格した人が試験ルートを選ぶなら、スケジュール感も押さえておきましょう。測量士試験と測量士補試験は毎年同じ日に実施されるため、測量士補の合格発表を待ってから、同じ年の測量士試験を受けることはできません。令和8年試験を例にとると、願書受付が1月5日〜1月22日、試験日が5月17日(日)、測量士補の合格発表が6月25日、測量士の合格発表が7月9日でした。測量士補に合格した翌年の1月が、最短の出願タイミングになります。出願期間は短いので、前年のうちに国土地理院の日程発表を確認しておくと安心です。発表日の実績と2027年(令和9年)の見込みは測量士補の合格発表の記事にまとめています。
4. 実務経験による登録ルート(測量法第50条第1〜3号)― 学歴ごとの年数を正確に整理
測量法第50条には、学歴と実務経験を組み合わせた登録ルートが複数定められています。国土地理院が公表している登録申請の案内資料には、資格区分ごとの必要な実務経験年数(従事期間・従事日数)が次のように示されています。
| 区分(測量法第50条) | 該当する学歴・要件 | 必要な実務経験 |
|---|---|---|
| 第1号 | 大学で測量に関する科目を修めて卒業 | 従事期間1年以上かつ従事日数225日以上 |
| 第2号 | 短期大学・高等専門学校で測量に関する科目を修めて卒業 | 従事期間3年以上かつ従事日数675日以上 |
| 第3号 | 測量士補養成施設(国土交通大臣の登録を受けた専門の養成施設)で1年以上、必要な知識・技能を修得 | 従事期間2年以上かつ従事日数450日以上 |
| 第6号 | (独)大学改革支援・学位授与機構から測量に関する科目で学士の学位授与 | 従事期間1年以上かつ従事日数225日以上 |
「従事日数」は、実際に測量作業に従事した日数のことで、国土地理院の案内資料では「作業現場への往復時間、休憩・休息時間、打合せ、立会い等は計上できない」「従事した実働時間数8時間で1日とする」と説明されています。単純に「在籍していた年数」ではなく、実際に測量実務にあたった日数を積み上げる必要がある点に注意が必要です。たとえば1日4時間しか測量実務に従事していない日が2日あっても、従事日数としては1日分にしかカウントされません。
該当する学科は、測量法施行規則に定められた「土木工学科・農業土木工学科・林学科・採鉱学科」または「天文学科・地球物理学科・物理学科・数学科・地理学科・地質学科」、あるいはこれらに相当する学科として国土地理院長が認定した学科です。自分の卒業した学科が該当するかどうかは、専攻・コースの区分によって認定の有無が分かれることもあり、個別の審査が必要になるケースもあります。判断に迷う場合は、国土地理院の問合せフォームで確認するのが確実です。
なお、この学歴+実務経験ルートは、測量士補試験に合格しているかどうか、測量士補として登録しているかどうかを問いません。国土地理院のQ&Aでも、該当する学科の卒業者であれば「測量士補試験の合否を問わず、測量士補を登録していなくても」実務経験を積めば測量士になれる、と説明されています。逆にいえば、このルートは測量士補というステップを必ずしも経由しなくても成立する道であり、「測量士補→測量士」という一直線のキャリアパスだけを前提にした制度ではない、という点も押さえておきたいところです。
5. もう一つの登録ルート ― 測量士補+養成施設(測量法第50条第4号)
第50条第4号は、「測量士補で、測量に関する専門の養成施設において高度の専門の知識及び技能を修得した者」と定められています。これは、既に測量士補である人が、国土交通大臣の登録を受けた養成施設(測量士養成施設)で所定の課程を修了することで、測量士として登録できるルートです。国土地理院の登録申請案内では、このルートに必要な書類は登録申請書と修了証明書のみで、4節で紹介したような別途の実務経験証明は求められていません。
ここで、第3号と第4号に出てくる「養成施設」は別物である点を整理しておきます。第3号の施設は、1年以上の修業で測量士補に必要な知識・技能を身につける「測量士補養成施設」で、卒業すると測量士補となる資格を得られ、さらに2年以上の実務経験を積むと測量士となる資格を得られます。第4号の施設は、測量士補が1年以上の修業で測量士に必要な高度の知識・技能を身につける「測量士養成施設」です。どちらも国土交通大臣の登録を受けた施設に限られます。第3号の「2年以上の実務経験」は測量士補養成施設の卒業が前提で、測量士補試験の合格者には当てはまりません。
裏を返せば、このルート以外で「測量士補として実務経験を積むだけ」で測量士になれる道は、測量法第50条には用意されていません。次の6節で、この点をもう少し詳しく整理します。該当する養成施設の一覧は、国土地理院公式サイトの「測量に関する専門の養成施設」のページで確認できます。
6. よくある誤解 ― 「測量士補+実務経験」だけでは測量士になれない
ここが、この記事でいちばん正確に伝えたいポイントです。国土地理院が公開している「試験及び登録に関するQ&A」には、次のような質問と回答が掲載されています。
Q. 測量士補を試験で合格した場合、実務経験を積めば、測量士になることができますか?
A. 測量士補試験合格の場合、実務経験では測量士には登録できません。試験合格の場合、測量士になるには、測量士試験に合格する必要があります。
なお、測量士補で、測量法第50条第4号の登録を受けた養成施設(測量士養成施設)で高度の専門の知識及び技能を修得すれば測量士に登録できます。また、卒業された大学(短大・高専)の学科によっては、実務経験を積めば(測量士補試験の合否を問わず・測量士補を登録していなくても)、測量士になることができます。
つまり、測量士補試験に合格しただけの人が、その後どれだけ測量士補として実務経験を積んでも、それだけを理由に無試験で測量士になることはできません。無試験で測量士になれるのは、あくまで「4節で紹介した学歴要件(大学・短大・高専・養成施設・学位授与機構)を満たしたうえで、規定の実務経験を積んだ場合」か、「5節の測量士補+養成施設ルート」のいずれかです。「測量士補として現場経験を重ねれば、いつか自動的に測量士になれる」というイメージを持っていた方は、この点を早めに正確に把握しておくと、キャリアプランの立て方を間違えずに済みます。
該当する学歴を持たない社会人が測量士補から測量士を目指す場合、現実的な選択肢は3節で紹介した測量士試験の受験になるケースが多いはずです。この試験ルートは学歴・実務経験を問わないため、測量士補として実務を積みながら試験対策を進める、という進め方が広く選ばれています。逆に、大学等で該当学科を卒業していて4節のルートに当てはまる人であれば、測量士補の登録有無にかかわらず、実務経験を積むことで測量士登録を目指す選択肢もあります。自分がどちらの立場に近いかを最初に整理しておくと、この先の学習計画も立てやすくなります。
監修者・境さんのコメント
「私自身、測量士補の受験勉強を通じてキャリアパスの話を調べていて、正直『実務経験を積めば測量士になれる』と漠然と思い込んでいた部分がありました。国土地理院のQ&Aを読むと、そこまで単純な話ではなく、学歴要件がかなり細かく決まっていることが分かります。自分のように大学等で測量関連学科を出ていない場合は、素直に測量士試験を目指すルートを検討したほうが現実的だと感じました。仕入れ営業の実務でも『何となくのイメージで制度を理解した気になっていた』ことに気づかされる場面は多く、一次情報を確認する癖の大切さを改めて感じています。」
7. 登録申請の実務的なポイント
いずれのルートで測量士の資格要件を満たした場合でも、登録申請を行い、国土地理院が保有する測量士名簿に登録されて初めて「測量士」を名乗って業務にあたれます。試験に合格しただけ、あるいは学歴・実務経験の要件を満たしただけでは、まだ測量士としての業務はできません。この「合格(要件充足)」と「登録」が別の手続きであるという構造は、測量士補と同じです。
登録申請には、登録免許税(測量士登録の場合は30,000円)の納付や、学歴を証明する卒業証明書・修了証明書・成績証明書、実務経験ルートの場合は「測量に関する実務の経歴証明書」の提出が必要です。この経歴証明書は、当該測量の作業期間における勤務先の代表者から証明を受ける必要があり、自己申告だけでは足りません。試験合格ルート(第5号)であれば登録申請書のみで手続きが進むのに対し、実務経験ルートは書類の準備にそれなりの手間と時間がかかる点も、両ルートを比較するうえで押さえておきたい実務的な違いです。標準的な事務処理期間は、国土地理院が申請書類を受理してから50日間とされていますが、卒業時期や試験合格発表の直後は申請が集中し、処理期間が延びる場合があります。測量士補として先に登録しておく場合の手続き(登録免許税15,000円・申請期限なし)は測量士補の登録方法で扱っています。
8. 「午前試験免除」と混同しないよう注意
測量士補・測量士について調べていると、「午前試験免除」という言葉を目にすることがあります。これは測量士補試験の合格者が、土地家屋調査士試験の午前の部(平面測量・作図)の受験を免除される制度(測量士・一級/二級建築士も対象)であり、この記事で解説してきた「測量士補から測量士への実務経験ルート」とはまったく別の制度です。測量士補と測量士のあいだに免除制度はなく、測量士になるための「試験ルート」と「学歴+実務経験による登録ルート」のどちらにも、免除という概念は登場しません。
土地家屋調査士とのダブルライセンスを視野に入れている方にとっては重要な制度ですが、測量士を目指すルートとは制度上の根拠(測量法ではなく土地家屋調査士法・関連省令)も対象試験もまったく別物です。この点を混同したまま情報収集を進めると、「測量士補を取れば測量士試験の一部が免除される」といった誤った理解につながりかねないため、注意が必要です。当メディアでは今後、測量士補・測量士と土地家屋調査士のダブルライセンスというテーマも別途扱う予定です。測量業界でのキャリアの幅を広げたい人にとっては、測量士だけでなく隣接資格まで含めたキャリア設計を考える材料になるはずです。
9. 測量士と土地家屋調査士の違い ― 名前が似ている資格との混同に注意
測量士について調べていると、「土地家屋調査士」という資格の名前もセットで目にすることが多いと思います。どちらも測量・境界に関わる国家資格で業務内容が重なる部分もあるため、混同されやすい資格です。ここで一度整理しておきます。
根拠となる法律・所管する省庁が違う。 測量士は測量法に基づく資格で、所管は国土交通省(国土地理院)。一方の土地家屋調査士は土地家屋調査士法に基づく資格で、所管は法務省です。そもそも根拠法も監督官庁も別物という点は、まず押さえておきたい。
業務の中身も違う。 土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記(分筆登記・地目変更登記・表題登記など)の申請手続きを本人に代わって行うことができる、登記の専門家です。これは土地家屋調査士だけに認められた独占業務にあたり、分筆登記の前提となる境界確定の調査・測量(いわゆる確定測量)も、実務上は土地家屋調査士が主体となって進めるのが一般的です。一方の測量士は、測量法上、測量業者に置かれる技術管理者として、公共測量をはじめとするあらゆる測量の計画・実施を担う立場にある。測量士は、公共測量や規模の大きな測量で力を発揮することが多い。
試験制度も別物です。 測量士試験は国土地理院が実施し、学歴・年齢・実務経験を問わず誰でも受験できます。対して土地家屋調査士試験は法務局が実施し、筆記試験(午前の部・午後の部)と口述試験で構成されます。測量士補試験の合格者は、この土地家屋調査士試験の午前の部が免除される制度があり(8節で触れた「午前試験免除」)、この免除制度の存在も両資格が混同されやすい一因になっていると思います。ただし免除されるのはあくまで午前の部だけで、測量士補・測量士の資格そのものが土地家屋調査士の資格に直結するわけではありません。
仕入れ営業の実務で言うと、確定測量図や地積測量図に「土地家屋調査士」の記名・押印が入っているのはこのためです。実際の確定測量図でどういった記載を確認すべきかは、「確定測量とは?現況測量との違いを仕入れ営業目線で解説」で詳しく扱っています。測量士補の学習を進めていると、この役割分担が実感としてつかめるようになってくる。
登記まで扱える資格を目指すなら、この午前の部免除を活かして、測量士より先に調査士を検討する道もあります。
業務範囲・試験制度・午前の部免除の関係に加えて、調査士講座2社(アガルート・LEC)の比較表も載せた記事があります。
10. 仕入れ営業の実務にとって、測量士は必須ではない
ここまで測量士への道のりを見てきましたが、当メディアの監修者・境さんのように、不動産の仕入れ営業として測量の知識を実務に活かしたい場合、必ずしも測量士まで目指す必要はありません。境界確定・越境・私道持分・セットバックといった仕入れ判断の論点は、測量士補の学習範囲で十分にカバーできる部分が多く、測量士補の知識がどのように仕入れ実務に活きるかは、測量士補の知識は不動産の仕入れ営業にどう活きる?境界・越境・私道持分の実例で具体的に整理しています。測量士補から先、測量士まで目指すかどうかは、測量業界でのキャリアを本格的に築きたいかどうかで判断が分かれるポイントだと言えそうです。測量士補・測量士の資格を活かせる転職先や年収相場については、別記事「測量士の転職先5選と年収相場」でも扱っています。
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11. よくある質問
Q. 測量士補として何年働けば、測量士に無試験でなれますか?
A. 「何年働けば」という単純な話ではありません。無試験で登録できるのは、大学・短期大学・高等専門学校・専門の養成施設等の特定の学歴を満たした人が、その学歴に応じた実務経験(従事日数を含む)を積んだ場合、または測量士補が登録を受けた養成施設で高度な専門知識・技能を修得した場合に限られます。測量士補試験に合格しただけの人が実務経験だけで測量士になることはできません。
Q. 該当する学歴がない場合、測量士になる方法はありますか?
A. あります。測量士試験は学歴・実務経験を問わず誰でも受験でき、合格すれば登録申請ができます。該当する学歴がない場合は、こちらが現実的なルートになります。
Q. 測量士補の資格がなくても、測量士試験は受験できますか?
A. 受験できます。国土地理院の受験案内では、測量士補を取得していなくても測量士試験を受験可能と明記されています。
Q. 「午前試験免除」で測量士になれますか?
A. いいえ。午前試験免除は測量士補合格者が土地家屋調査士試験の午前の部を免除される制度であり、測量士になるための制度ではありません。混同しないよう注意してください。
Q. 測量士補の登録をしていなくても、測量士に登録できますか?
A. できます。国土地理院のQ&Aでは、資格要件を満たしていれば測量士補として登録されていなくても測量士の登録申請を行えると説明されています。4節で紹介した学歴+実務経験ルートに該当する人は、測量士補登録を経由せずに測量士登録を目指すことも可能です。
Q. 測量士と土地家屋調査士は同じ資格ですか?
A. いいえ、別の資格です。測量士は測量法に基づく国家資格、土地家屋調査士は土地家屋調査士法に基づく国家資格で、管轄する法律・試験の実施機関・独占業務のいずれも異なります。詳しくは9節で整理しています。
12. まとめ
測量士補から測量士になる道は、「学歴・実務経験を問わず挑戦できる測量士試験に合格する王道ルート」と、「大学・短期大学・高等専門学校・専門の養成施設等の特定の学歴と、それに応じた実務経験を組み合わせた登録ルート(測量法第50条)」の2つに整理できます。「測量士補として実務経験さえ積めば測量士になれる」というのは正確ではなく、国土地理院のQ&Aでも明確に否定されている誤解です。該当する学歴を持たない場合は、測量士試験に挑戦するのが現実的な選択肢になります。
測量士試験は午前の択一式に加えて午後の記述式が課され、合格率も測量士補のおよそ半分という、一段ハードルの高い試験です。それでも受験資格そのものに制限はなく、測量士補として実務を積みながら試験対策を進めるという進め方が現実的です。
測量士補の学習を進めながら、この先測量士まで目指すかどうかを考えている方は、まず測量士補試験の対策を固めることが最初のステップです。学習スタイルに迷ったときは、通信講座の比較ページで各社のカリキュラムと価格を見比べてみてください。
出典・参考情報(2026年9月16日確認)
- 国土地理院「測量士及び測量士補登録に関する案内」(測量法第50条・第51条に基づく資格要件、登録手続きの概要)
- 国土地理院「試験及び登録に関するQ&A」(測量士補試験合格者が実務経験のみで測量士に登録できない旨の回答、学歴別の登録ルールに関する回答、測量士補未登録でも測量士登録申請ができる旨の回答)
- 国土地理院「『測量士』登録の方」ページおよび登録申請案内資料(測量法第50条第1号〜第6号の資格区分ごとの必要書類・実務経験年数(従事期間・従事日数)、登録免許税、標準事務処理期間)
- 国土地理院「令和8年測量士試験の合格者を発表」(受験者数3,966名、合格者数961名、合格率24.2%)/「令和8年測量士補試験の合格者を発表」(受験者数12,269名、合格者数5,447名、合格率44.4%)
- 測量法第50条・第51条(測量士・測量士補となる資格要件)、第55条の13(営業所ごとの測量士の配置)
- 国土地理院「測量に関する専門の養成施設」(測量士補養成施設・測量士養成施設の区分)、「試験科目」、令和8年測量士・測量士補試験の受験案内(日程)
- 令和7年3月25日国土交通省告示第204号(測量法第50条・第51条各号と同等以上の知識及び技能を有する者等を定める件)
※制度・要件は法改正等により変更される場合があります。実際に登録申請を検討する際は、必ず国土地理院公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事は特定の実務経験が資格要件として認められるかどうかを保証するものではありません。個別のケースについては国土地理院への確認をおすすめします。







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